2016年12月23日
漢方薬とは似て非なるものと心得るべし
一般的に生薬と聞くと、漢方薬を連想する人は多いと思われますが、両者は似て非なるものと心得ることが大事です。それというのも生薬というのは、草の根や葉、花や果実にまとめられる植物性の物と、動物性の分泌物や抽出物、さらには細胞内容物などが原材料となっているからです。これらはそれぞれに薬効を持っていますので、非常に種類が豊富なところが特徴です。
例えばミカンの皮は陳皮と呼ばれ、漢方薬にもよく使われていますが、ミカンの皮がそのまま薬になるわけではありません。ここで生薬になるための加工が必要となってきます。ミカンの皮が陳皮として効果を発揮するとはいえ、その中には不要な成分もありますので、いらない物は取り除いたうえで、潰す、刻む、乾かす、熱を加えるといった作業を行います。
こうすることでいらない物がなくなり、薬として効果を発揮する成分だけが残り、効き目がさらに凝縮されます。成分が効果を発揮してくれるのは、種類ごとに適した加工を行うためであり、これをしないことにはただの草の根や葉のままです。その加工は非常に手間がかかり、種類ごとに適した方法で行う必要があることから、薬の値段としてはどうしても高価になってしまいます。